平成最後のネットワークスペシャリスト試験に合格したので、何をやっていたのか記録に残しておきます。
1. 購入した試験用の書籍
- 徹底攻略 ネットワークスペシャリスト教科書 平成30年度
- ネスペ教科書 2018年度版
- ネスペの剣、道、礎、基礎力、魂
- ネスペ21、22β、23
一通り試験範囲をなめるという意味でも教科書は1つあった方がよいです。徹底攻略の方で午後1に対応することができました。ネスペ教科書はさらにそれを絞ったものです(もうちょっとボリュームがあって欲しいですが、安価な薄めの本で速習という意味ならアリでしょう)。いずれも午後1までの出題内容のキーワードを基にテキストが作られているように思います。午前1、2は暗記モノなので合格点に持っていくだけなら過去問で十分なので特に対策していません。間違えた問題や用語を多少調べるぐらいはしましたが。午後1、2が本試験なので解説がしっかりしているものとして「ネスペのXX」シリーズを買いました。ネスペ21~23も同様のものですが、もう新刊では出回っていないようなので、amazon等で中古を買い漁ることになります。
左門至峰先生のテキストは読者にどういうものか実感してもらうためにスクリーンショットを多用して説明しているので、普段使わないような仕組みでも理解しやすいと思います。特にネスペの基礎力がアタリでした。サブタイトル通りのプラス20点とまではいきませんでしたが、前回から午後1は22点、午後2は10点積み上げられました(このぐらい点数が変わると、試験当日の回答の質が前回受験から変わるのが実感できます)。
平成21年度の解答から用意しましたが、あまり古いとネットワークの常識が変わっちゃうので、今からの受験であれば予算の節約という意味も込めて平成25年のネスペの剣以降でも十分な気がします。IPAが掲載している平成15年度の試験を解いてみると回線速度が遅すぎて驚きますし、最近のスマホが対応しているWi-FiのIEEE 802.11acなんて10年前には出回ってない規格ですものねぇ。
午後1の過去問はちゃんと解きましょう。午後2のベースになりますし、普段使わない機器に関して「こういうことができるのか!」と驚かされることもあります(例:WAN高速化装置なるものがあり、フェールオープン機能を備えている)。
逆に午後2の問題はあまり手を付けていません。実務に近くて興味のある問題や、解く時間が足りるか確認する目的で簡単そうな問題を数問解いた程度です。何が出てくるか予想できず対応しきれないので、午後1や一般的なネットワークのテキストで基礎を積み上げてました(インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門、マスタリングTCP/IP入門編など)。直近で午後2で問われたものに無線LAN、SDN、IoTプロトコル(CoAP、MQTT)などありますが、結局仕事で使っているかどうかで合否が大きく変わる気がします。しかし出題内容を仕事でやっている人は多くないので、結局基礎を積み上げた人が合格するような仕組みだと思います。午後2は採点対象者の上位40%程度に入れば合格なので、そこに滑り込むつもりで基礎を身につけようとしていました。
2. 参考にしたWebサイト
- ネスペイージス(https://www.infraexpert.com/info/netspecial1.html)
- ネットワークのおべんきょしませんか?(http://www.n-study.com/network/)
- IPAの過去問題掲載サイト(https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/_index_mondai.html)
書籍にお金を出したくないということであれば、Ciscoベースでの説明ですがネスペイージスがオススメです。若手への説明にも使っています(ここ読んでおけと言えば済む上に、当人にとってはネスペ対策にもなる)。ネットワークのおべんきょしませんか?は書籍で手に入らない平成20年度より前の問題の解説を一部していたので取り上げておきます。
3. 過去問を解いて印象に残っていたもの
同じような難易度の試験にしたいのか、回答が似ているという問題があったような気がします。
- H27午後2問1設問3(3)の答:「CoAPはヘッダ長が短いなど、データ格納効率がよい。」
- H28午後2問2設問3(4)の答:(GREの方が)「カプセル化によるオーバヘッドがL2TPより小さく、1つのパケットで転送できるデータ量が多い。」
効率のよい伝送を行うという意味で回答がほぼ同じです(カプセル化=ヘッダをつけることですし)。こういった程度の観察力を身に着けてほしいという出題側の意図が感じられます。H30年度のMQTTもIoT用の軽量プロトコルですよね。
4. H30の試験の感想
- 午前1:応用情報レベル。適当に回答。まずここを安定して通過できないと午前2以降の勉強が手に着かない。
- 午前2:過去問記憶ゲー。ここで安定して8割以上とれないと午後が辛い。合格者でここが60点台の人は少ないんじゃないかなぁ。ちなみに当日間違えたのは問15と問17の2問。
- 午後1:メインディッシュその1。ここは教科書的な問題が多い。私は実務に近い問1と問2を選択しました(OSPFとGRE over IPsecは業務的に縁がないので無理と判断して問3を捨てたとも言えます)。試験前日に「ネスペの基礎力」で読んだ「(プロキシサーバの)ルート証明書」を答えさせる問題が問1に出てきたのが私にとってのサービス問題でした。
- 午後2:メインディッシュその2。あー、今年も業務に関係のない問題が出た外れ年だと思いました。まったく分からない問題の配点を少しでも下げておきたいという理由で、解答用紙を眺めて問題数が多く、用語穴埋めが多い問1を選択。過去問のCoAPの問題を解いたときに、これならもう一度出てくればボーダーラインは越えられる可能性が高いという感覚があったというのもありますが。
午後はSDN系の話がてんこもりでしたけど、多くの現場に普及するのは相当先なんじゃないですかね。
5. 結果
午前1:88点、午前2:92点、午後1:80点台半ば、午後2:60点台半ば。大した勉強もせずに挑んで午後2で敗退した過去に比べれば進歩したものです。午後1の採点は結構甘目だと思いました。厳し目につけて70点台前半ぐらいだと思っていたので。
6. 得られたもの
国のお墨付きが付いたので、するかしないかは別として転職が多少しやすくなったと思います。昇進速度アップは完全年功序列なので諦めモードです。あと説明能力と居室内での威厳が身に付きます。定期昇給をし続けて給料が高いのに何も説明できない状態になるのは恥ずかしいのでね。これでプロの入口に立てた...と良いなあ。次はアプリケーションを作るための準備の一環として10年放置し続けたデータベースやります。データサイエンス系に強い割にDB知らないでは、そろそろ済まされないので。
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