ベクトル単位で一度に処理せよということである。
今回はベクトル単位で処理する際によく用いられるapplyの挙動について紹介してみる。
まずは肩慣らしに、普通のapplyを使ってみよう。
> mat <- matrix(1:12,nrow=4) > mat [,1] [,2] [,3] [1,] 1 5 9 [2,] 2 6 10 [3,] 3 7 11 [4,] 4 8 12 > mat[2,3]<- NA > mat [,1] [,2] [,3] [1,] 1 5 9 [2,] 2 6 NA [3,] 3 7 11 [4,] 4 8 12 > apply(mat,1,mean) [1] 5 NA 7 8 > apply(mat,1,mean,na.rm=T) [1] 5 4 7 8
関数にオプション(na.rm=T)を与えるときには、関数の後ろにオプションを書けばよい。
次に自前の関数を用意してapplyがどのような挙動になるか見てみる。
今回は、あるベクトルと行列に対し、完全に内容が一致する行のインデックスを
取り出す操作を行うことにしよう。
mat <-matrix(1:12,nrow=4) mat[2,3] <- NA pattern <- c(3,7,11) # 調べようとする内容 myfunc <- function(m,pat){ print(c(is.matrix(m),is.vector(m))) print(m) return( which(all(m==pat)) ) } apply(mat,1,myfunc,pattern)
自作の関数(myfunc)では、最初の引数mにapplyで一番最初の引数、
2番目の引数patには、FUNの後にある引数が対応している。
上記のスクリプトを実行すると、以下の結果が得られる。
> apply(mat,1,myfunc,pattern) [1] FALSE TRUE # print(c(is.matrix(m),is.vector(m)))の内容 [1] 1 5 9 # print(m)の内容 [1] FALSE TRUE [1] 2 6 NA [1] FALSE TRUE [1] 3 7 11 [1] FALSE TRUE [1] 4 8 12 [[1]] # applyの返り値、integer(0)は長さ0の整数型ベクトル integer(0) [[2]] integer(0) [[3]] # マッチしたので、数値が返ってくる。しかし、3ではなく1になる [1] 1 [[4]] integer(0)
1が返ってきたという上記の内容から、実は1行ずつ判定しているということがわかる。
しかも関数の中で、最初の引数であった行列はベクトルにdropしているのである。
だから、3番目が一致しているということを判別したければ、さらに上記のコードに
拡張を行う必要がある。
res <- apply(mat,1,myfunc,pattern) # 上のコードの最終行 ret <- lapply(res,function(x) length(x)>0) # 対応する行は長さが1以上 idx <- which(unlist(ret))
とすると、idxには3が入って、めでたく必要な情報が得られたことになる。
今回はマトリックスという列の属性がすべて共通なものであったため、
容易に比較ができたが、データフレーム(列ごとに属性が違う)の場合は、
比較対象の属性の中で一番表現範囲の広い型にしてしまってから比較を
行わなければならない。
大雑把ではあるが、文字列型>実数型>整数型>論理型の順で表現できる
範囲が広くなると考えてよい。 入力がどうなるか判断がつかない場合は、
とりあえず文字列型に変換すればよい。 たとえばmatや調べたいパターンが
データフレームであった場合、以下のような修正が考えられるであろう。
myfunc <- function(m,pat){ mm <- as.character(unlist(m)) patpat <- as.character(unlist(pat)) return( which(all(mm==patpat)) ) }
追記:上ではapplyの理解のためにmyfuncの返り値にwhichを付けているが、
実はつけない方が楽にかける。以下のように書けば、データ長で、
行番号の有無を判定する作業が無くて済む。
myfunc <- function(m,pat){ return( all(m==pat) ) } ret <- apply(mat,1,myfunc,pattern) result <- which(ret)
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