インフラエンジニア(小中規模の構築~運用)の仕事における考え方について整理してみました。使っているプロダクトや実例は書けないのですが、2016年度から4~5人を束ねる役目をしているので、思っていることをつらつらと。他にも書き漏らしたことがあれば追記します。
- 仕組みをデザインせよ
- 人はミスをする生き物である。ミスをしたらなるべく繰り返されないよう仕組みから改善せよ。
- 事業が半永久的に継続できるよう、緩やかにでも変化に耐えられるよう、中で人が育つような仕組みを作れ。
- 若いうちはn年目にはn年目の業務が当たる仕組みにせよ。よほどの天才でない限り手順を踏まずに先に進むのは難しい。
- 若い連中には自分で走れる(=不明な点は調べものをして適切な結論を出せるようになる)だけの時間を最初に与えられるのがベストである。
- 予算が取れるなら全体に好影響が出るもの、サービス利用者と管理者の双方が喜べるようなことに金を突っ込んで改善していけ。
- いかに楽にオペレーションするかを念頭におけ
- 業務を楽に回すために工夫をせよ。シンプルに作ることで同僚への業務の引継はスムーズになる。
- 総コストが下がるように工夫せよ。サービス利用者や対外折衝といったコミュニケーションに関わるコストや、運用の手間を減らすことによる人件費の削減を考慮せよ。
- 普段から楽になるように作ることで、次の方針を考える時間を作ることができる。楽な環境ではさほど伸びないが、楽になるように考える過程で実力は伸びる。
- 知識をアップデートし続けよ
- 仕事のコミュニケーションがうまくなるためには技術的な会話について行ける必要がある。新卒同然のままで話ができる訳ではない。
- 学習は若いうちにやっておくと費用対効果が高い。未経験でIT業界に入るなら、まずは体系だった知識をつけるために基本情報技術者試験を受けて基礎を叩き込め。そして遅くとも20代のうちに応用情報まで受かっておけ。うっかり何も知らないまま年功序列で上司になって、指示も出せないという状態になると致命的に不味い。
- 知識を増やすことは、日々のオペレーション手法に幅がでること(=複数の方法を提案できる)や前任の担当者よりもベターな方法を提案できることにも繋がる。
- 勤勉な無能は銃殺刑にせよ
- 真面目な(=勤勉な)奴が間違った(=無能な)判断で仕事をすすめると取り返すためのコストが高くつく。勤勉な無能と判断されてしまうと、影響範囲が小さいある程度ミスしても許される仕事しか与えられなくなる。
- 元ネタはゼークトの組織論による軍事ジョーク。人は{有能、無能} × {勤勉、怠惰}の4パターンに分類されるとされる。
- 自身が目指すところはゼークトの組織論で司令官タイプの「有能な怠惰」である。楽に回せるために頭を使う。英語では "Think hard, work lazy." といったところである。
- どうしても勤勉な無能を使わざるを得ないのであれば、作業の相当前から計画を立てさせて、当日の作業はオペレータとして手順書通りにやれば十分というところまで持っていく必要がある。
- 完全年功序列と完全実力主義はどちらもダメなので混ぜるようにせよ
- 年功序列のメリットは、頑張っても昇給が一定なので若手を教育することで業務負担を減らそうとするインセンティブが働くことである。完全実力主義は下を教えないことで差をつけるインセンティブが働きやすい。
- 年功序列のデメリットは、能力不足のミスマッチや勉強無しでも周囲と同じだけ昇給するため、平均以上のパフォーマンスが出るメンバーからの納得感が得られにくいことである。
- 採用
- 採用する側、される側、双方不幸にならないように歩み寄れ。
- 外に見える成果物や公開しているアカウントがあれば、そこで程度を明らかにせよ。極端なハッタリかまして入ると不幸になる可能性が高くなる。